2022年02月28日

手打ち

手打ちと呼ばれる打撃は、武術、武道においては否定的な言葉として感じられる方が多いのではないでしょうか。

身体操作法(例えば腰を回す、脇を締めて背中の筋肉を活用する等々)を行わず、手(腕)だけ使っただけの打撃を手打ちと呼ぶことが多いようです。

で、空体道の打撃はまさにこの手打ちなのです。

では手打ちの良いところ、悪いところを上げると、

悪いところ・・・身体操作よる威力増大法がないので、打撃の威力が少なく、相手にダメージを与えられない。

良いところ・・・ただ手(腕)の伸ばすだけの動きなので、事の起こり(予備動作)がなく、相手は打撃を察知するのが遅れ、防御が間に合わない。

こんなところでしょうか。

では何故、空体道は手打ちの打撃を取り入れたかと言うと、身体操作がなくとも、脱力により全身に重さ(重力)が通れば、ただ手を伸ばしただけの打撃に全体重が乗り、強力な威力が備わるからなのです。

だから空体道では、長距離、中間距離、近距離、超近距離(寸勁)と距離に関わらず、すべての打撃はただ手を伸ばすだけの手打ちの打撃となるのです。

でも一つ問題もあります。全身に重さ(重力)が通らなければ、打撃に重さの威力が伴わない点です。身体に重さを通すことはとても時間(年月)がかかるのです。

なので会員さんは打撃練習ももちろん必要ですが、それ以上に立禅法、重心法、歩行法に取り組むことです。

空体道では打撃の威力は打撃練習よりも、立禅法、重心法、歩行法によって培われるからです。そうすれば手打ちの打撃にいつか強力な威力が備わることでしょう。

posted by ロン at 16:30| 日記

2022年02月27日

計り知れない

立禅については各流儀でそれぞれ素晴らしい思想、また効果があると思いますので、あくまで空体道としての立禅のお話です。

空体道の立禅は三つあります。並行立ち、前屈立ち、後屈立ちの立禅です。

その効果は計り知れないと私は思っています。やればやるほど、全身の力が抜け、やればやるほど、頭から足裏まで重さが落ち、やればやるほど全身に重さが通り、やればやるほど重力と調和が高まる・・・

ただ立ち続けることによって計り知れない効果が生まれる。立禅は本当に奥深いものです。

もちろん立禅だけで良いというわけではなく、武術ですから他にもいろいろ稽古することはありますが、それにしても立禅あるなしでは、空体道の進歩に大きな差がついてしまうことも事実です。

計り知れない立禅。しかしその効果が実感出来るのにはかなりの時間(年月)が必要になります。何年も何年もそして何年も続けることによってのみ、その素晴らしさを味わうことが出来るのです。

立禅、週一回や二回の教室では全然足りません。会員さんは無理しない範囲でけっこうですから、普段から立禅の時間を持つようにして下さいね。
posted by ロン at 12:42| 日記

2022年02月25日

アルファでありオメガ

空体道の一人でおこなう練習には基本と型があります。

基本は養身法、型は空法といます。

この二つの役割は、養身法は立つ力(全身に重さ、重力が通った身体)の養成であり、そして空法は空体道の技としての手法、歩法、身法の体得です。

なので空体道にとっては養身法と空法は車の両輪であり、二つのうちどちらかが欠けても武術としては成り立ちません。

そしてこの二つの要素が身についているかどうかの検証が、対練と組み手になるのです。

あえて上記の練習体系の優先順位をつけるとしたら、間違いなく養身法が一番重要になります。

立つ力(全身に重さ、重力が通った身体)の獲得なしに、空体道の掲げる、体格、年齢、性別を越えた武術の完成に至ることは出来ないと私は思っているからです。

養身法は空体道の中ではもっとも単純で地味で面白みに欠けます。ただ立って、ゆっくり重心移動して、じっくり歩くことが主の何ともつかみどころのない練習です。一般の人が見たら「何やってんの?意味あるの?」
と思われるかもしれません。

しかし空体道にとって養身法はアルファでありオメガ(最初の基本でもあり最後の極意でもある)なので、会員さんはそこのところを理解して教室や一人稽古に取り組んで下さい。
posted by ロン at 13:17| 日記

2022年02月17日

見つけたもの

過去に学んだ期間に長短ありますが、太極拳、八卦掌、形意拳、心意六合拳、少林拳、蟷螂拳、合気道・・・

組み手、スパーリングで相手をしたは方々は、中国武術諸門派、空手諸流派、日本拳法、少林寺拳法、ボクシング、キックボクシング・・・

そんな経験から、自分なりにですが、武術についてあるヒントと言うか、ある啓示を得ることが出来たと思っています。

それは「重さと重力」

私は今後の武術をその重さと重力にすべて賭けてみようと思いました。

それが「空体道」です。

なので空体道の体系すべては、重さと重力に焦点を絞って作られています。

それが良いのか悪いのか、はまだ分かりません。お迎えが来るまでその答えは出ないような気もしています。

そして出来ることはこれからも私が見つけたもの「重さと重力」を信じて稽古を続けることだけ。

これが私によって何より幸せなことでもあります。


posted by ロン at 20:03| 日記

2022年02月16日

凝縮について

前回のブログで 全身のゆるみの密度が一定のまま凝縮される と書きましたが、会員さんが誤解されるといけないので、補足説明をします。

密度が一定のまま凝縮されるとは、身体が縮まる感覚のことではありません。むしろ逆なのです。

凝縮とはまとまり、さらに言えば張りのことです。

私は立禅法、重心法、歩行法をおこなっているうちに、丹田から腹が張ってくるのを感じます。その張りはボヨンボヨンと言ったものではなく、カチカチに硬く張っている感触なのです。

その硬くカチカチに張った丹田の感覚を、凝縮と言う言葉で表現したのです。

まだまだ私は未熟ですので、その張りが全身にまでは及んでいませんが、いつの日か、と言う思いを込めて教室稽古や一人稽古に向き合っています。
posted by ロン at 12:47| 日記