2022年08月17日

バラバラとまとまり

身体の各部がバラバラになればなるほど、身体のまとまりは増していくと私は思っています。

何とも逆説的な表現ですが、身体各部のバラバラ(細分化)と身体のまとまり(統一化)は空体道ではイコールなのです。

簡単な例としては、腰(正確には胸郭ですが)を回すとき、上半身のねじれに下半身がつられて、股関節や膝が腰と同じようにねじれてしまっては、相手に全身の重さを伝えることが出来ません。重さが途中で漏れてしまうのです。

腰が回り、上半身がねじれる時、下半身は上半身につられず、そのまま安定しているからこそ、全身の重さが相手に伝わるのです。これは上半身と下半身がバラバラに分かれている方が威力が増す一例です。

なので会員さんは、身体の各部を一つにまとめようと意識しすぎてはいけません。力みを生んでしまいます。それより身体の各部をバラバラに解きほぐすような意識をもって稽古に臨んだ方が、結果として統一体に近づくことが出来ると私は思っています。

posted by ロン at 22:32| 日記

2022年08月16日

淡々と

もうすぐ63歳になる私の稽古は、ただ淡々とその稽古をこなすだけです。

若いころは、どうやって身体を動かせばより動きの効率が上がるのか、どうやって戦えはより早く相手を倒すことが出来るのかと、そんなことをつねに考え、考え、考え、稽古していました。

その時にくらべれば、今の稽古は覇気がないと言うか、向上心がないと言うか・・・

でもやる気がないわけでも、あきらめているわけでもないのです。

私なりに30年以上稽古した結果、今は何も考えずにただ淡々と稽古したほうがより進歩、向上することに気づいたからなのです。

何も考えず、ただ淡々と立つ(立禅)、ただ淡々と動く(型、対練)、ただ淡々と戦う(組手)・・・そしてその結果、いつのまにか進歩、向上している自分に気づくのです。

とは言っても未熟な私ですので、実は大したことはないのですが、それでも淡々と稽古をすることの楽しさを知ったことがとてもうれしいこの頃です。




posted by ロン at 22:56| 日記

2022年08月12日

下半身の安定

空体道では下半身の安定なくして武術としての効用を得ることは難しいのです。

下半身が安定してこそ全身の重さすべて相手に伝えることが可能となるからです。

ただし空体道は脱力に特化した武術ですので、下半身の安定を筋力でおこなうわけではありません。あくまで脱力による身体の重さ、重力によって安定させる必要があります。

空体道の基本である三つの立ち方、平行立ち、前屈立ち、後屈立ち、でかなりの力で押されても、びくともしない重さによる下半身の安定力が求められるのです。

こう書くと、やはり若い人しか無理なように思われるかもしれませんが、そんなことはありません。先ほども言ったように、筋力ではなく脱力による重さによって安定を図るまで、高齢の方や小柄な女性であってもあきらめずに長く長く稽古を続けていけば、いつか求める下半身の安定を手にすることが出来ると私は思っています。

会員さんもあきらめずに稽古を続け、幾つになっても盤石で安定した下半身を手に入れましょう。

posted by ロン at 13:09| 日記

2022年08月11日

再現しようとしない

空体道の対練で私のアドバイスによって技がうまくかかったとします。

ところがそのアドバイスを意識してまた技をかけようとしても何故かうまくいかないことがあります。

それは前に成功した動き(技)を再現しようとして、心に作為が生まれ、自然な動きを妨げてしまうからです。

対練は一期一会です。毎回同じように正確に動くことは出来ません。人は機械ではないのですから。

うまくいっても、うまくいかなくても、それはすべて過去の出来事で、現在とは関係はないのです。なので会員さんつねに今その時の気持ちで対練をおこなって下さいね。

posted by ロン at 23:01| 日記

2022年08月10日

全身の・・・

空体道の本質は、全身の力を均等に抜くことにあります。

言葉では簡単ですが、この全身の力を均等(この均等というところが大切)に抜くことは、とても時間がかかる作業なのです。

さらにいえば、均等に力が抜けなければ、全身に重さが通ることは難しいし、重力と調和することもありえないのです。

さてではその全身の力を均等に抜くコツですが・・・残念ながら私はコツをしりません。

でも空体道の稽古をあきらめずに続けていれば、どんな人でもいつか全身の力が均等に抜ける日が訪れると信じています。

人によってその時間は違いますので、何年とは言えません。何年なのか、十何年なのか、何十年なのか・・・

でも空体道には型試合も組手試合もないので、何年、何十年かかってもよいではありませんか。

いつかお迎えの日が来るまで、のんびり、じっくり、そして楽しく稽古を続けていればよいと私は心から思っている次第です。




posted by ロン at 19:26| 日記