身体の各部がバラバラになればなるほど、身体のまとまりは増していくと私は思っています。
何とも逆説的な表現ですが、身体各部のバラバラ(細分化)と身体のまとまり(統一化)は空体道ではイコールなのです。
簡単な例としては、腰(正確には胸郭ですが)を回すとき、上半身のねじれに下半身がつられて、股関節や膝が腰と同じようにねじれてしまっては、相手に全身の重さを伝えることが出来ません。重さが途中で漏れてしまうのです。
腰が回り、上半身がねじれる時、下半身は上半身につられず、そのまま安定しているからこそ、全身の重さが相手に伝わるのです。これは上半身と下半身がバラバラに分かれている方が威力が増す一例です。
なので会員さんは、身体の各部を一つにまとめようと意識しすぎてはいけません。力みを生んでしまいます。それより身体の各部をバラバラに解きほぐすような意識をもって稽古に臨んだ方が、結果として統一体に近づくことが出来ると私は思っています。