昔の会員さんが今の私の組手を見たらこう思うかもしれません。
「先生の動きは昔のような変幻自在な感じがなくなっている。また技も単純なものばかりで、昔のような変化技がみられない。さては先生、63歳になって衰えたのかも・・・」
この昔の会員さんも思いは半分当たっていて、半分外れています。
当たっているのは、50歳くらいまでの変幻自在の動きや変化にとんだ技はもう出来ない点です。
そして当たっていない点は昔と比べて私の組手が衰えていない点です。
私に昔のような動きは正直言って出来ません。しかし今はより小さな動き、より単純な動きで会員さんを制することが可能になっているのです。なので変幻自在な動き、変化にとんだ技は今の私には必要がないのです。
昔と今の会員さんの比較についても、昔の会員さんは他武術、他武道の有段者が多かったですが、今の黒帯会員さんも元は空手や柔道等の有段者や経験者ばかりなので、その強さについては変わりないと思っていますし、身体の質においては今の会員さんの方が上だと断言出来ます。
その会員さんを制すことが出来ているので、組手の衰えは無いと自負しています(もちろん他武術、他武道の誰よりも強いと言う分けではなく、あくまで私個人の過去と現在の比較のお話しです。私より強い方はいくらでもいらっしゃいます)
今回、何でこんなことを書いたのかと言えば、身体の質を磨き続ければ(空体道で言えば、脱力により全身に重さが通って重力と調和した身体の質)、過去の自分を凌駕し続けることが出来る可能性が確かにあることを会員さんに知ってほしいからです。
歳だから、小柄だから、痩せているから、女性だから、とあきらめる必要はありません。いつも言っていることですが、継続する意思だけあれば、それなりに年月はかかりますが、過去の自分を超え続けることは不可能ではありません。
伸び続けられる可能性を信じて、これからも一緒に稽古を続けましょう。