私はよく武術が進歩した、向上したと書くことがありますが、この頃その言葉に違和感を感じるようになりました。
身体の内部感覚は確かに進歩、向上していますが、筋力、動体視力、反射神経、瞬発力、持久力等の身体能力は退化、衰えているわけです。
進歩、向上はしているが、同時に退化、衰えもしているのです。得るものもあれば、失うものもある・・・なので進歩、向上ではなく、自分は変化しつづけていると思う方がしっくりくるように思えるのです。
そう思うと、何が何でも進歩しようとか、絶対向上しようとかの少し焦り気味の気持ちが収まり、ただ一生変化しつづけようと言う、よりのんびりした気持ちで武術と向きあうことが出来るように感じています。
2023年02月27日
指導者の前に
私は練精会武術の代表で空体道、円転太極拳の指導者ですが、指導者の前に一修行者としての自分を忘れることはありません。
なので教室での指導以外に一人稽古を続けています。修行者であれば当たり前のことではあります。
ただ会員の皆さんが教室で行っている稽古より、さらに簡素でさらに地味な一人稽古です。まあ、立つ稽古が中心だと思って下さい。
未熟ながら、幾つかの組手の大会にも参加しました。また様々な武道、武術、格闘技の方々とも交流組手、スパーリングも沢山体験しました。なので一人稽古で戦闘法や技を磨く必要はあまりないと思っています。
高めるべきは身体の質、ただこれだけです。いつも書いていることですが、脱力が進化し、全身に重力(重さ)が通った身体の質を高めることが私の一人稽古の目的です。
身体の質を高めるのに、年齢も体格も性別も関係ありません。いかに自分と向き合って、簡素で地味な稽古をひたすら続けること出来ればよいのです。
なのでこれもいつも書いていることですが、ほんの一生一人稽古を続けたいと思っています。
なので教室での指導以外に一人稽古を続けています。修行者であれば当たり前のことではあります。
ただ会員の皆さんが教室で行っている稽古より、さらに簡素でさらに地味な一人稽古です。まあ、立つ稽古が中心だと思って下さい。
未熟ながら、幾つかの組手の大会にも参加しました。また様々な武道、武術、格闘技の方々とも交流組手、スパーリングも沢山体験しました。なので一人稽古で戦闘法や技を磨く必要はあまりないと思っています。
高めるべきは身体の質、ただこれだけです。いつも書いていることですが、脱力が進化し、全身に重力(重さ)が通った身体の質を高めることが私の一人稽古の目的です。
身体の質を高めるのに、年齢も体格も性別も関係ありません。いかに自分と向き合って、簡素で地味な稽古をひたすら続けること出来ればよいのです。
なのでこれもいつも書いていることですが、ほんの一生一人稽古を続けたいと思っています。
posted by ロン at 16:04| 日記
2023年02月24日
立禅の状態
私がよく会員さんが立禅を組んでいる時にその腕を軽く押しているのは、会員さんの立禅の状態を確認しているためです。
何を確認しているかと言えば、押した圧力が丸ごと私に反ってくるかどうかです。
白帯会員さんは私が押したら身体が崩れてしまいます。茶帯会員さんは何とか立禅状態を保つことは出来ますが、圧力が私に返ることはありません。黒帯会員さんは身体が安定してはいますが、返ってくる圧力は少しだけです。丸ごととはいきません。
ではどうすれば押してくる圧力を丸ごと返せるようになるのか言えば、まず身体の全体性です。身体が一つにまとまっていないと、圧力は返ることはありません。さらに言えば、全体性がさらに高まって、身体が膨張する球体となる状態となれば、腕と言わず身体のどこを押されても、押された圧力を丸ごと(何なら膨張分をプラスして)相手に返すことが可能になります。
私もまだまだ不十分ですが、少しはその状態を会員さんへ示すことが出来ます。
どうすればそんな立禅状態になれるのかと言えば、答えは一つだけ。稽古すればよいのです。自慢ではありませんが、空体道、円転太極拳はそんな身体の状態を目指して体系されているのです。だから皆さんが足りないのは、ただただ稽古が足りないだけです。
だから安心してほんの一生稽古に取り組みましょう(笑)
何を確認しているかと言えば、押した圧力が丸ごと私に反ってくるかどうかです。
白帯会員さんは私が押したら身体が崩れてしまいます。茶帯会員さんは何とか立禅状態を保つことは出来ますが、圧力が私に返ることはありません。黒帯会員さんは身体が安定してはいますが、返ってくる圧力は少しだけです。丸ごととはいきません。
ではどうすれば押してくる圧力を丸ごと返せるようになるのか言えば、まず身体の全体性です。身体が一つにまとまっていないと、圧力は返ることはありません。さらに言えば、全体性がさらに高まって、身体が膨張する球体となる状態となれば、腕と言わず身体のどこを押されても、押された圧力を丸ごと(何なら膨張分をプラスして)相手に返すことが可能になります。
私もまだまだ不十分ですが、少しはその状態を会員さんへ示すことが出来ます。
どうすればそんな立禅状態になれるのかと言えば、答えは一つだけ。稽古すればよいのです。自慢ではありませんが、空体道、円転太極拳はそんな身体の状態を目指して体系されているのです。だから皆さんが足りないのは、ただただ稽古が足りないだけです。
だから安心してほんの一生稽古に取り組みましょう(笑)
posted by ロン at 03:31| 日記
2023年02月22日
腕の重さ
空体道と円転太極拳の基本の定歩打撃法のお話です。
定歩打撃法には、劈手、鞭手、回旋手、直拳、分脚 がありますが今回は突きに関してのお話。
打撃法の突きは、基本ハーフスビートと言うか、かなり速度を落としておこないます。これには理由があり、突きに限らず打撃法全ての威力の源は重力(重さにあります)。なので最初からフルスピードの突きをおこなうと、どうしても肩や腕に力みが生じやすくなってしまいます。そのため脱力が進むまでは、ひたすらゆっくりした突きの練習を続けます。
そしてそのゆっくりした突きで大切なことは、突き始めから突き終わりまで、十分に腕の重さを感じられるかにあります。脱力が不十分では、突き初めから突き終わりまで均一の腕の重さは感じられることはありません。突きのどこか(特に突きの最初と最後)で腕が軽くなったり、それどころか最初から重さを感じられない会員さんもいるかと思います。
会員さんか思っている以上に腕は重いのです。なので突きの練習中は、腕とはこんなにも重いものなのか〜と思えるぐらいの感覚がなければいけません。それでなければ、近距離(空体道は接近戦が主なので)で強大な威力を相手に与えることは難しいのです。
もちろん他の打撃法も一緒ですが、突き練習の一打、一打、腕の重さをしっかり感じられるように脱力に励んで下さいね。
定歩打撃法には、劈手、鞭手、回旋手、直拳、分脚 がありますが今回は突きに関してのお話。
打撃法の突きは、基本ハーフスビートと言うか、かなり速度を落としておこないます。これには理由があり、突きに限らず打撃法全ての威力の源は重力(重さにあります)。なので最初からフルスピードの突きをおこなうと、どうしても肩や腕に力みが生じやすくなってしまいます。そのため脱力が進むまでは、ひたすらゆっくりした突きの練習を続けます。
そしてそのゆっくりした突きで大切なことは、突き始めから突き終わりまで、十分に腕の重さを感じられるかにあります。脱力が不十分では、突き初めから突き終わりまで均一の腕の重さは感じられることはありません。突きのどこか(特に突きの最初と最後)で腕が軽くなったり、それどころか最初から重さを感じられない会員さんもいるかと思います。
会員さんか思っている以上に腕は重いのです。なので突きの練習中は、腕とはこんなにも重いものなのか〜と思えるぐらいの感覚がなければいけません。それでなければ、近距離(空体道は接近戦が主なので)で強大な威力を相手に与えることは難しいのです。
もちろん他の打撃法も一緒ですが、突き練習の一打、一打、腕の重さをしっかり感じられるように脱力に励んで下さいね。
posted by ロン at 18:17| 日記
2023年02月21日
身体は正直
口(言葉)ではいくらでも嘘がつけるし、いくらでも胡麻化すことが出来ると思います。
でも身体は嘘がつけないし胡麻化すことは出来ません。これまでの人生で培った動き、癖が正直に出てしまいます。
ここが武術の面白い所かもしれません。自分の口がどんなに取り繕うと身体は正直なのです。
以前、体験に来られた方がこんなことを言っていたのを思い出します「・・・そんなはずはない。私は武術以外にもヨガ、ダンス等いろいろ学んでいるので、身体は出来上がっているはずです。先生、もう一度ちゃんと確認して下さい」
で、私が重さを何も伝えないように超加減してそっと肩を押しただけで、ぐらりと大きくよろめいてしまうのです。もちろん他の会員さん(60代後半の女性も)私が同じように押してもぐらつくことはありません。
見学者さんはこの体験がよほどショツクだったのか「おかしい。こんなはずはない。自分は出来ているはずなのに。おかしい」と言いながら帰っていきました。
この見学者さんは、自分の身体より自分の思いを信じていたのですね。でも身体の正直な反応を真摯に受け止め、そこから武術に向き合っていかないと向上は望めないのかもしれませんね。
でも身体は嘘がつけないし胡麻化すことは出来ません。これまでの人生で培った動き、癖が正直に出てしまいます。
ここが武術の面白い所かもしれません。自分の口がどんなに取り繕うと身体は正直なのです。
以前、体験に来られた方がこんなことを言っていたのを思い出します「・・・そんなはずはない。私は武術以外にもヨガ、ダンス等いろいろ学んでいるので、身体は出来上がっているはずです。先生、もう一度ちゃんと確認して下さい」
で、私が重さを何も伝えないように超加減してそっと肩を押しただけで、ぐらりと大きくよろめいてしまうのです。もちろん他の会員さん(60代後半の女性も)私が同じように押してもぐらつくことはありません。
見学者さんはこの体験がよほどショツクだったのか「おかしい。こんなはずはない。自分は出来ているはずなのに。おかしい」と言いながら帰っていきました。
この見学者さんは、自分の身体より自分の思いを信じていたのですね。でも身体の正直な反応を真摯に受け止め、そこから武術に向き合っていかないと向上は望めないのかもしれませんね。
posted by ロン at 16:33| 日記