2023年03月28日

通る

練精会ではまっすぐの姿勢が重要です。

まっすぐの姿勢は重力方向と協調した立ち方だからです。

なのでまっすぐの姿勢のまま全身の力を抜くことによって、全身に重力(重さ)が通るようになるのです。

そして全身に重力が通った身体の質になれば、姿勢はあまり関係なくなります。たまに私が座ったまま、あるいは寝転がった状態で会員さんを崩したり、投げたり出来るのはそのためです。まあ、今はあくまで対練レベルの技ですが、より重力が通れば実際の攻防でも座った状態、寝ころんだ状態でも相手を投げることが出来るようになるのでしょう。

でも会員さんは重力がまだ通る段階ではありませんから、基本、型、対練、そして組手でもまっすぐの意識を持ち続ける必要があります。それが身体に重力を通すための条件なのです。

ただし意識が強すぎて力んだまっすぐであれば何の効果もありません。あくまで身体をゆるめた状態でのまっすぐの意識なのです。

そのための最適な稽古法は立禅です。そこからすべてが始まるのですから。
posted by ロン at 09:03| 日記

2023年03月27日

近道

練精会武術において身体の力を抜く要訣、秘訣、秘伝はありません。

ただひたすら長い年月の稽古を通じて自然に体得するものなのです。

ただワンポイント、一瞬なら力を抜く方法はあります。私が稽古で方便として話している内容がそれです。でも一瞬力が抜けたぐらいでは、対練では上手くいくこともありますが、自由攻防の組手では何の役にも立ちません。ましてや実際の戦いにおいては論外です。

練精会の脱力とは稽古のすべてにおいて(基本、型、対練、組手)、日常生活すべてにおいて(立つ、歩く、動く)、危機的状況すべてにおいて(襲われた際の護身術)身体の力が抜けていることなのです。

その意味においては私もまだまだ不十分です。でも不十分だから稽古のし甲斐もあるし、不十分は伸びしろなのです。これからまだまだ進歩、向上が望めると言うことです。

先生の私でこうですから、会員さんは全員無限の可能性の塊です。

とにかく稽古、稽古、稽古、ただそれだけです。稽古の有効性は未熟なりに私が会員さんに体験させているはずです。練精会に近道はありません。

これからも練精会を信じて、私を信じて、そして何より自分の可能性を信じて稽古にのぞんで下さい。

posted by ロン at 11:49| 日記

2023年03月25日

狭い道

練精会武術の道は万人向けではなく、狭い道だと思っています。

円転太極拳を型だけ学び、健康に役立てたいと思っても、もちろん型は教えますが、稽古の半分の時間は対練、組手になります。対練は推手もおこないますが、打撃や投げの対練がどちらかと言えば中心で、当然受け身の技術も必要になります。また強いダメージを与えない範囲の組手ですが、基本ノールールなので、かなり戸惑われると思います。

空体道でとにかく強くなりたいと思っても、基本、型はもちろん、対練、組手でも徹底的に脱力を求められますし、対練で力任せに技が出来たとしてもいっさい認められず、また組手も同様で力任せの組手をしたら、厳しく注意を与えられます。

健康目的で来たら 対練や組手があり、(最初は)疲れるし、怖さも感じる・・・また強さ目的で来たら力まかせの強さは否定され注意されるし、力を抜こうとすればするほどどんどん弱くなっていくように感じる・・・

以上から練精会武術の道は狭い道なのです。型(健康)だけでもだめ、組手(強さ)だけでもだめ。なので表演の大会、組手の大会も開きませんし、他派の大会の出場予定もありません。

練精会の道はある意味とても中途半端な道なのかもしれません。でもそれが私の理想とする武術の道なのでそれで良いと思っているのです。

昔、表演の大会で楊式太極拳の部で北海道一位になったこともありますし、東京や北海道の組手大会で後れを取ったこともありません。なので型や組手の大切さも十分理解しているつもりです。

でも型だけ覚えたい人、すぐに強くなりたい人が見学に来られたら、まず上記のことを話しそれでも学びたいと言う人だけ受け入れるようにしています。

なぜなら私は一生稽古を通じて(ここが一番大切)、身体の秘められた可能性を追求、探求する人と稽古したいからです。狭い道ですが、会員さんがその道を私と共に歩んでくれるのを願っています。

まあ、単に私が変人だけってことなのですが・・・(笑)
posted by ロン at 20:41| 日記

2023年03月24日

元々の素材

練精会武術では身体が元々もっている素材の可能性を引き出すことを目的としています。

そのため基本的には身体を鍛える、身体を強くする、等の発想はあまりありません。もちろん身体を鍛えて武術的能力の向上を図ることも正しい方法だと思っています。否定する気持ちはまったくありません。あくまで発想の違いだと会員さんは認識してくださいね。

これはあくまで私の感覚的な数値ですが、会員さん身体の元々持っている能力の数値が10だとしたら、現在は1か2ぐらいし使えてないように思います。多分私でも3か良くて4ぐらいかな。それほど元々もっている能力の可能性は高いのです。

脱力の稽古によって・・・その動きに必要な筋力が協調、連動して働くことが可能になる。骨格バランスが整い、必要最低限の筋力で立つ、動くことが可能になる。身体に重力が通り、全身すべての重さを使うことが可能になる・・・

なので会員さんは歳だからとか、運動神経鈍いからとか、小柄だからからとか、女性だからとか、と言う理由で武術の向上を諦める必要はまったくないのです。もちろん長い年月を必要としますが、脱力の稽古を長年続けることによって、身体が元々持っている可能性を引き出すことは誰もが可能だと私は信じています。

ただし何度も言いますが、時間(年月は)そうとうかかります。ローマは1日にして成らず、です。気長に稽古に取り組むことです。ほんの一生・・・

posted by ロン at 13:54| 日記

2023年03月22日

詰まり

投げの対練で、相手の抵抗にあって中々技が決まらない会員さんの背中やハムストリングを私がさすってやると、途端に技がかかるようになる理由を説明しましょう。

私には会員さんの重さの流れがどこで詰まっているのかだいたい分かるのです。その多くは身体背面の詰まりです。人は身体前面(顔、胸、腹、太もも等)に意識が集まりがちで、反面への意識が非常に薄いのです。

なので意識の薄い背面に重さが流れているのか、詰まっているのかを感覚でとらえることが出来ません。そこで私が背中や腰、ハムストリング等の背面をさすってあげると、やっと背面に意識が通り、意識と一緒に詰まりも取れ、重さが流れるようになって相手に技がかかるようになるのです。

陰陽一体。陽(身体全面)だけではなく、陰(身体背面)も同じように意識することが大切なのです。

ただし、意識しすぎるとかえって力みが生じてしまうので、あくまでさらっと意識するだけでよいと思います。そして本当の意味で身体の力が抜けたなら、その背面への意識もいらなくなるのです。

posted by ロン at 20:22| 日記