2023年04月30日

突きについて

副代表のゆりかが突きについて書いていたので、私も便乗して書いてみようと思います。

練精会武術の突きは、その突き方や姿勢はもちろん大切ですが、それ以上に重視しているのは身体の質なのです。これはあくまで極論として会員さんは聞くてほしいのですが、身体の質が高まれば、突き方や姿勢はあまり関係なくなってきます。要はどんな突き方、どんな姿勢であっても強大な威力の突きを放てると言うことなのです。

私がたまに腰の曲がったお爺さんのような姿勢や、片足を大きくあげたまま突きを打っても強力な打撃を放てるのはそのためです。私の突きを体験した会員さんならよく分かっていますね。

と、このように書くと練精会の突きは本当に便利だと会員さんは思うかもしれませんが、残念ながらそんなことはありません。以上のような威力のある突きの身体の質を身につけるのには長い年月が必要だからです。

いつも書いていることですが、身体の力が抜け、頭から足裏まで重さが落ち、全身に重力(重さ)が通った身体の質になるには、長い年月が必要になります。何年も、何年も、そして何年も嫌になるほど地味な稽古(立禅法や歩行法等)をただひたすら続けなければいけません。

ゆりかも十数年ひたすら上記のように身体の質を高めるの稽古を続けてきたからこそ、女性であってもごつい男性が驚くような威力のある突きを放てるようになってきたのです。

なので会員さんもよい意味で、気長に、のんびり、まったり、淡々と稽古を続けていきましょう。
posted by ロン at 14:34| 日記

2023年04月28日

感動

私は対練で技を示すときには、会員さん全員に技をかけて体験してもらうことにしています。

組手は組手慣れしている会員さん以外は危険なので基本黒帯会員さんにしか胸は貸しませんが、対練の技はかならず全員にかけています。

これは私の勉強(技を受ける会員さんの抵抗が一人一人違うので、それが良い勉強になっています)のためでもありますが、それ以上に会員さんのためでもあります。

まだまだ未熟ですが、しっかり抵抗しても崩される、投げられてしまう技を受けた体験から「自分もこんな技を身につけたい」「先生の技を受けると年齢は超越出来ると信じられる」等々の感動を受けてくれたらと思っています。

そんな感動があれば、いつかかならずその技を会員さんが身につけることが出来ると私は信じています。一番大切なのは、技を受けて私の動きや質を分析することではなく、技を受けて感動することが出来るか否かなのです。

そう思うのは、私が老師からたくさんの技を受けた時はいつも「いつか自分もこんな素晴らしい技、素晴らしい動き、素晴らしい実戦力を身につけたい」と心から感動していたからです。その感動が私の武術修行の原動力となりました。

ちなみに実は私はたまにですが、自分自身に感動することがあります。それは今まで無理と思われた技が会員さんが全力で抵抗してもかかるようになった時です。そんな時は本当に嬉しいものです。

願わくば私が老師から受けた巨大な感動と同じくらいの感動を会員さんに与えられたらと願っています。そのためにも精進。精進ですね。

posted by ロン at 16:03| 日記

2023年04月27日

自分が薄まる

本日の空体道教室で話したことですが、身体の力が抜けるにしたがって、自分と言う存在が薄まっていくような感覚を覚えるようになります。

自分と言う意識が薄れて、それに従い自分の身体も透明になっいく感覚。これはとても面白く、気持ちよい感覚です。何というか自分と周りの空間と一体化した感覚と言えばよいのでしょうか。

そのような感覚の時の技は、本人は本当にふわっとやっているつもりですが、その私の技を受けた会員さんは分かると思いますが、きわめて重く威力のある技になるのです。本人の感覚と技の威力が反比例。その乖離度合いがすごいのです。

いつも言っていることですが、そんな薄まる感覚は、頭で考えて得られるものではありません。思考がそんな感覚を拒否していまうからです。

なので稽古の時は思考を少し抑えて後は身体に任せてただ動くことを学ばなければいけないのです。

皆さんはよく「分からない」と口にしますが、私だって自分の動きや感覚をわかってやっている訳ではありません。頭で理解できるほど身体の能力は小さくはないのです。

なので分からいないことは当たり前。分からないことを悩むのではなく、分からないことを楽しむことによって、上記の薄まる感覚も次第に分かってくると思います。
posted by ロン at 23:02| 日記

2023年04月18日

やっているうちに

練精会の武術、空体道、円転太極拳では丹田感覚も大切な要素です。

練精会では丹田感覚を、主に丹田法、立禅法、空法、によってつくり上げていきます。

これらの稽古法によって丹田感覚が強まれば、丹田を中心に全身に広がる膨張感覚が得られ、全身の統一性が高まっていきます。私の丹田を触ったことのある会員さんはその状態がよく分かるはずです。

ここで大切なのは、(私が)丹田をつくろうとか思わないことです。

何々をしようと言う思いが強いと、無意識にお腹に力を入れたり、無理やりお腹を膨らませようとしてしまいます。それは作為なのです。作為は緊張を生み、力みの原因となります。

だから何も思わず、ただ上記の稽古を淡々と繰り返すことです。丹田法、立禅法、空法には丹田をつくりあげるエッセンスが含まれていますので、動き以外何も必要はありません。

やっているうちにいつの間にか出来上がっている。これは何も丹田だけではなく、練精会の稽古体系すべてに
共通する教えです。やることをやっていれば結果は後からついているものです。

練精会の武術は頭(知識)で理解するものではなく、身体(稽古)で理解するものだと会員さんは思って下さいね。
posted by ロン at 20:50| 日記

2023年04月16日

ギリギリ

本日の円転太極拳教室で説明したことなのですが、腕の感覚は常にギリギリであってほしいのです。

腕がギリギリ?と会員さんは思われるでしょうから少し解説しますね。

例えば起勢の時で言えば、後少しでも力を抜けば腕が上がらないギリギリのところで、腕をゆっくり上げている感覚。またあと少し力を抜けば腕が一気に落ちてしまうギリギリのところで、腕をゆっくり下げている感覚なのです。

そこまでまでギリギリの腕になっていなければ、抵抗する相手を簡単に崩したり、体格に勝る相手が吹っ飛ぶほどの打撃を与えることは難しいのです。

腕のギリギリ感覚を掴むためには、練精会ではじっと立つか(立禅)ゆっくり動くか(円転太極拳や空体道の型)かが大切になります。

前回の内容は腕の自由落下の感覚。今回は腕のギリギリ感覚のお話し。もちろん脱力に関しては腕だけでは不十分で、あくまで全身の脱力が求められるのですが、ある時期は腕に特化して脱力に励むもの会員さんには良い勉強になると思います。
posted by ロン at 22:23| 日記