2023年07月30日

意識の状態

私は30代の頃に東京と札幌で組手(散打)の大会に出たことがあります。どちらの大会も防具着用による直接打撃制度によるルールで、たしか打撃以外にも投げや立ち関節も認められていた大会でした。

私は幸いにも負けることはありませんでしたが、その大会の時の私の意識について少し説明したいと思います。

まず対戦の相手に意識は向いています。これは当たり前と言うば当たり前ですね。そして私の意識は相手以外にも向いていたようです。相手を見ていながら、試合会場にいる仲間や観客たちの姿もしっかり見えていました。

また相手の息遣いが聞こえるのと同じように、周りでしゃべっている(話している内容も)声もしっかり聞こえていました。いわば意識が集中していて、同時に拡散している状態と言えるかもしれません。

そんな意識だと戦っている自分を何というか他人事のように思えてしまうのでした。戦っている自分とそれを見ている自分・・・

何でこんな話をしたかと言えば、今でもその意識状態は続いていて、会員さんへ技を見せている時や、組手で胸を貸している時も、会員さんを見ていながら、周りの状況(他の会員さんや私たちの会以外で格技室で稽古されている方々の動きや声)も同時に見えています。

もちろん意識してそうやっているのではなく、自然とそうなっているだけなのですが・・・

そして思うのです。私が会員さんよりも対練や組手でより力が抜けているのは、稽古の年月が長いだけではなく、そんな意識状態になっているからかも知れません。

今回も妄想じみた話になってしまい、会員さんの参考にはあまりならなかったかも知れませんが、とりあえず書くだけ書いてみました。あしからず・・・







posted by ロン at 15:59| 日記

2023年07月20日

命日

本日はブルース・リーの命日です。

私が武術を学ぶきっかけの最大要因はブルース・リーの存在です。中学の時に観た「燃えよドラゴン」の感動は今も忘れることはありません。そして第二の要因は松田髓q氏の著作「謎の拳法を求めて」であり、第三の要因はテレビドラマ「燃えよカンフー」でした。

そして30歳を過ぎてから、内家拳(太極拳、形意拳、八卦掌)を学ぶことになり、その後に意拳や合気道等を研究のために学び、またその間、中国武術、空手道、日本拳法、少林寺拳法、ボクシング、キックボクシングの方々との交流組手、スパーリングを経て、現在はいまだ未熟ではありますが、自分の武術である空体道、円転56式太極拳を創始、指導するまでに至りました。

比べるのは非常に非常に僭越なのですが、詠春拳を経て、各派の中国武術、その他武術、武道、そしてボクシングやフェンシング等の研究のもとに独自の武術、截拳道を創始したブルース・リー。また同時に素晴らしい映画俳優だったブルース・リー。

かたや中国武術を経て、空体道、円転太極拳を創始した私。また俳優ではありませんが、スーパーの店頭等で戦隊ヒーローのスーツアクターのアルバイトをしていた私。

ほんのほんのほんの少しだけはブルース・リーと私の人生がかぶるところがあるかもしれません。もちろん月とスッポンですが・・・(笑)

あらためて偉大なる人生の師に、合掌。
posted by ロン at 15:04| 日記

2023年07月18日

普段の力

会員さんは対練や組手で、相手に抵抗されると普段日常で使っている力で対応しようとしてしまいます。

普段の力とは重いものを持つ時、あるいは重いものを押す時等に使っている力んだ力のことです。その力は何十年の生活で染みついた力の出し方なので、稽古中にもすぐに顔を出してしまいます。

そんな力では相手が自分より小柄だとか、細いとか、高齢とかなら通用するかもしれませんが、自分と同等か同等以上の相手には通用するものではありません。

なので普段の力を武術的な力に変えなければなりません。これは稽古中だけそう意識しても意味はありません。普段の生活から普段の力ではなく武術的な力に変えていかなければならないのです。そうではないと相手が抵抗するたびに何十年も染みついた普段の力がすぐに顔を出すことになってしまうのです。

武術の良い所の一つは、日常生活から立つ方、動き方、力の出し方を根本的に変えることが出来る点です。私もまだまだ未熟ですが、ある程度は日常生活を武術的におくることが出来るので、その快適さ、素晴らしさを会員さんより深く知っているつもりです。

なので稽古を週一回、あるには二回だけのものだとは思ってはいけません。日常生活すべてにおいて、武術的にあらねばならないのです。こう書くととても大変だと会員さんは思われるかもしれませんが、それは逆なのです。武術的に普段を生きることは、何度も言いますが本当に快適で、素晴らしいものなのです。

時間はかかりますが、あきらめずに普段の力(力んだ日常生活)を武術的な力(より快適な日常生活)に変えていきましょう。




posted by ロン at 22:56| 日記

2023年07月17日

全部

身体の力み、緊張が抜けたなら、身体の全てを使えるようになります。

身体の筋肉が連動、協調して全部使える・・・身体の重さが一体となり全部使える・・・

これが脱力による恩恵だと私は思っています。

そしてさらに身体の力み、緊張が全身全てにおいて無くなるようになると、身体と重力が調和し、統一体へと進んでいきます。

力を抜くこと。言葉では簡単、また一部分の力を抜くだけなら、それもあまり難しいことではありません。

でも身体すべての力み、緊張を抜くことは本当に難しいことなのです。しかし難しい反面、得られる可能性も非常に高いものになります。

なので練精会では全部を目指します。身体全部の力を抜き、現段階での最終目標である統一体を目指していくのです。

そしてその過程として、護身術としての強さ、健康増進、精神の安定、加齢による衰えの低減等が結果として得られると私は信じています。
posted by ロン at 14:09| 日記

2023年07月14日

棒立ちの姿勢

私は対練でも組手でも、足幅を広く構えることはしません。また打撃技や投げ技の繰り出す時も、腰を大きくま回したりするような反動を使うこともあまりありません。基本、肩幅ぐらいで立ち、腰も落とすことなく、棒立ちに近い姿勢のまま立ち、動きます。

この私の姿勢を見て会員さんは「あんな棒立ちの姿勢から強力な技を繰り出せるのだから、さぞや余裕があるのだろうな」と思うかもしれません。でもそれは違うのです。

余裕があるから棒立ちのに近い姿勢でいるのではなく、棒立ちに近い姿勢だからこそ、強力な、強大な威力を発することが出来るからなのです。

それが立つ力の素晴らしいところなのです。棒立ちの姿勢は重力方向(鉛直線)と調和しやすい姿勢です。なので棒立ちの姿勢は重力の力(重さ)を効率よく発揮できる姿勢でもあるのです。

もちろん身体の力が抜けていなければ、棒立ちの姿勢は不安定で、大きな威力を生み出すことは出来ませんが、脱力が進むと真逆の結果を生み出すことが出来るのです。

そんな立つ力を身につけるためには立禅と歩行法が大基本です。そのことを会員さんは忘れないで下さい。
posted by ロン at 13:15| 日記