空体道では動と静の稽古法があります。
動の稽古とは、型、対練、組み手。そして静の稽古とは、立禅、歩行法。
空体道の稽古では動の稽古が8割、静の稽古が2割ほどの比率になります。
ただ私の一人稽古の比率はその逆、動の稽古が2割、静の稽古が8割。いやもしかしたら、動の稽古が1割、静の稽古が9割かもしれません。
未熟なりに約30年武術を続けているので、それなりにですが戦闘技術は身体に染み付いています。後はその技術に重さ(重力)と言う質(強大な威力)を加えること。それが加齢に対する私の回答です。
公園で私の一人稽古は、ただ立っているか、じっと立って時折ゆっくり動いて前進したり後退したりするだけです。知らない人は「え、武術の稽古。だって立つか、ゆっくり歩くかしていないでしょう?」多分そう反応することでしょう。
でもその何の練習なのか分からない「立つこと、歩くこと」がもうすぐ62歳になる私の肉体的な衰えをカバーし、老いても更なる武術の高みへと引き上げてくれているのです。
空体道の静と動の稽古。どちらもとても大切な稽古です。そして長く長く稽古を続けて歳を取るごとに、動の稽古と静の稽古の比率が変わっていくのだと私は思っています。
そして会員さんはまだ私ほど動きも戦闘技術も身についてはいませんので、動の稽古である定歩の打撃法や型の空法の練習も忘れずに一人稽古に励んで下さいね。