武術を長年続けていると、様々な身体感覚が訪れるものです。
その感覚は私の場合つねに変わり続けているようです。
そして思うのです。この前まで良いと思っていた感覚がじつはたいしたことがなく、また以前たいしたことがないと思っていた感覚が実は大切かもしれないと思い、そしてその大切な感覚もよくよく感じているうちに、やはりたいしたことがないと思い・・・
こんな風に感覚は私の身体の中をぐるぐると回り続けます。
で、最近とみに思うのですが、感覚を感覚と感じているうちはまだまだ未熟だと。
本当に力が抜けて、身体が重力と調和したなら、たぶん感覚は無い感覚となっていることでしょう。
それはただ立って、ただ歩いて、ただ動いて、ただ闘う境地。自然そのものの境地。
そこには全然届いていません。いまだ未熟も未熟。
でも以前に比べると、その感覚に囚われることが少なくなっているのも感じています。感覚が小さく、小さくなってきているようです。
感覚を大切に、そして感覚に囚われず・・・いつかその先へたどり着けるように、稽古、稽古です。