2022年09月11日

重さという武器

以前、見学に来られた人がこんな質問を私にしたことがあります。

「組手の時に生徒さんが先生に触れられるだけで動けなくなるのは何故ですか?気の力でしょうか?」

私はこう答えます。

「私が生徒の腕に触れると、たぶん生徒は手を触れられているのではなく、私に抱きつかれているような感覚を受けているのです。私は78キロぐらいありますが、78キロに抱き付かれては素早く動くことは出来ませんませんし、また動くどころか、その場で動けなくなる人のほうが多いのではないでしょうか。それほど脱力による重さの接触は強力な武器となるのです」

さらに私は続けます。

「生徒は私との接触により動きがままならなくなり、またバランスも崩されている状態なので、私の打撃技、崩し技、投げ技に防御も反撃も出来ないままやられてしまうの訳です」

「そうですか。重さによる力だったのですね、気の力だと思っていました。わかりました」

以上ですが、私は本当にこの重さ(重力)という武器を信頼しています。まだまだ未熟で、限界もありますが、これからも稽古を続け、脱力による重さという武器に磨きをかければ、年齢を超越した境地へ辿り着く可能性もゼロではないかもしれないと思っています。

まあ見果てぬ夢でかもしれませんが、そんな夢を見ながらの稽古も楽しいものです。
posted by ロン at 01:04| 日記