2022年09月27日

ただ手を伸ばす

空体道の突きは、極論すぎるかも知れませんが、ただ手を伸ばすだけなのです。

例えば腰とか、肩甲骨とか、骨盤とかの身体操作はおこなわず(もちろん身体操作を加えた突きを否定しているわけではありません。あくまで空体道の突きのお話として聞いてください)、本当にただ手の伸ばすだけの突きなのです。

何故こんな突きをするのかと言えば、野球のピッチングフォームを例にあげて説明したいと思います。プロの投手は150キロ前後のとんでもなく速いスピードボールを投げることが出来ます。そのボールが突きだとしましょう。受けることも、避けることも、非常に難しいことでしょう。

でもそのボールの速さをピッチングフォームから計測したらどうでしょうか?

大きく振りかぶって足をあげ、そして全身を鞭のようにしならせてボールを放つ。その動きを突きに当てはめたら、突き自体は非常に速いが、その前の動作が大きすぎて、相手は突きが放たれる前に、防御態勢、あるいは反撃体勢をとる十分な時間があることを知るでしょう。

空体道は高齢、小柄、女性でも身を守ることの出来る武術を目指しています。なので上記のような全身を大きく使う突きは、若い方や鍛え上げられた方は出来ますが、高齢、小柄、女性の方には負担が大きすぎて身に付けることが困難なのです。

なので私たちは、突きのスピードは遅くても、予備動作がほとんどない、ただ手を伸ばすだけの突きを採用したのです。突きのスピードは遅くても、予備動作がほとんどないその突きは、相手が非常に反応し難い突きとなるのです。

さてそんな突きの最大の問題は、威力、です。普通ただ手を伸ばすだけの突きに相手を倒すだけの威力は望めません。鍛え上げられた人には蚊に刺された程度のダメージしか与えられないのでしょう。

しかし脱力が進み、全身に重力(重さ)が通った人の突きなら、スピードは遅くてもその突きには全身の重さが宿っているのです。例えば50〜60キロの塊がそんなに速くないとはいえ、顔面に激突した状況を想像してみて下さい。

この境地を目指して空体道ではただ手を伸ばすだけのように突きを稽古しているわけです。

そんな突きを体得するには、長い長い年月が必要です。でも長い時間はかかりますが、高齢でも、小柄でも、女性でも、誰もが身に付けられる可能性があるのです。

私もまだまだ未熟ですが、会員さんはそんな突きを私と一緒に目指していきましょう。

最後にそんな突きの稽古ですが、突きの稽古はもちろん必要ですが、それ以上に立禅法、重心法、歩行法が重要なことを付け加えておきます。

未熟ですが、前にアップした動画を参考に貼っておきます。

https://www.youtube.com/watch?v=RZJmw8XAlac

posted by ロン at 19:33| 日記