2022年11月08日

全体を使う

会員さんはまだ身体全体を使うことが出来ていないように思います。

それはこれまでの人生(日常生活)で身体を部分的に使う癖がついてしまっているからです。

身体を部分的に使って生活していると、身体のバランスが崩れてしまい、いろいろ障害がおきてしまうこともあります(首、肩の凝り、背中の張り、腰痛、ひざ痛等)。

私は職業柄でしょうか、道行く人の姿を何気なく見る癖があるようなのですが、その動きがギクシャクして滑らかさを欠き、不自然なロボットのような歩き方をしている方をよく見かけます。明らかに身体を部分的(バラバラ)に動かしているので、身体全体のバランスが崩れているのです。身体大丈夫かな?とかってに心配になってしまいます。

また武術においても全体のバランスが崩れた姿勢、動きは身体の本来持っている素晴らしい可能性(能力)を引き出すことは出来ません。

なので私が考案した空体道の12の型(空法と呼ぶ短い12種の動き)では部分的に身体を動かす癖を矯正し、全体を使える身体を取り戻すことも目的の一つになっています。

空法の12の型すべてに手法、体法(体幹部)、腿法、歩法、と言った全身(全体)を使う動きが取り入れてあります。どこか身体の一部分を特化して動かす型は一つもないはずです。そのことに会員さんは気づいて下さい。

空法の型自体は比較的簡単な動きで構成されていますが、上記の意味においてそれを作り上げるのはとても大変な作業だったのです。何度も試行錯誤を繰り返しました。

空体道では基本の養身法で全身の力抜く稽古を主に、そして型の空法では全身(全体)を使って動くことを主に稽古しています。また稽古を長く続けることによって、全身の力を抜く事と、全身(全体)を使うことは溶け合い一つになります。脱力が全体の動きを促し、全体の動きが脱力を促すのです。陰陽の関係です。

最後に空体道の基本は脱力(頭から足裏まで重さを通す)、型は全身(全体の協調、調和)を主として構成されています。このことを会員さんは忘れないで下さい。

posted by ロン at 21:35| 日記