私は好戦的なところがあり、内家拳を学び始めた時はとにかく早く強くなりたくて、稽古では対練、そして何より組手(散打)が好きでした。
強くなるためには、型で動きを練り、対練で技を練り、そして組手で成果を試す・・・
こんな考えで内家拳を学び、その後独立して練精会を立ちあげてからは、その思いがさらに強くなりました。練精会初期の会員さんは他武道の経験者(黒帯)が多かったので、稽古の最後はかならず会員さん全員と割と激しい組手をおこないました。10人以上の会員さんと一人3分ぐらいやっていたので、休まずに30分以上連続して組手をおこなっていたわけです。そんな組手が何年か続きました。
そのかいあってか、その後会員さんではない他武道、他武術、他格闘技の方々と交流組手、交流スパーりングをしても互角の戦いが出来ました。
でも50代になってから、このまま60代、70代、そして80代になった時に今の実力を維持できているのか不安を覚えるようになりました。
何かが足りない・・・
そこで気づいたのが立禅でした。それまであまり立禅についてあまり深く考えたことがなく、稽古にも少ししか取り入れていなかったのです。でもこの機に一度本格的に立禅と向き合ってみようと、一人稽古を立禅中心に切り替えたのです。そして年月は過ぎ・・・
結果、立禅によって気づかされたもの、得られたものは本当に素晴らしく、奥深いものばかりでした。私の好戦的な性格が災いして、何と言うか最初から取り組むべきものを、最後にしてようやくたどり着いたように思えました。目先の効かないアホな私です・・・
ただ私の立禅は学んだと言うより、自身の身体を使っての研究、探求から生まれたものなので、あくまで私個人の立禅の感覚です。
そんな最後にたどりついた立禅を私のように遠回り(でもこの遠回りも私には意味があったと思っています)せずにすむように会員さんには最初から伝えている訳です。
でも会員さんはまだまだ立禅の素晴らしさは実感していないと思います。立禅の深い効用を知るには長い時間(年月)が必要なのです。私だってまだまだです。
なのでこれからも私と一緒に立禅を深めていきましょう。