少し前にゆりかから、今の身体の感覚はどうなっているの?と質問されたことがありました。
たしかこんな風に答えたと思います。
「今は身体の感覚はあまりないのだけれど、おぼろげながら全身のまっすぐの感覚はあるよ。その感覚はつねに消えずに感じ続けているようだね」
この感覚は身体の中心を通るいわゆる軸感覚とも違うようであり、身体の真ん中にある丹田感覚ともやはり違うようです。
私のまっすぐの感覚は、全身で感じられるものです。身体のすべてで感じてているものです。
私はこのまっすぐの感覚は、重力の感覚だと思っています。脱力が進歩し、地球の中心に向かう重力を全身で感じているのだと思います。重力は鉛直線に働きます。それがまっすぐの感覚なのです。
会員の皆さんはまたこの感覚を感じ続けてはいないと思います。それは私ほど脱力が進歩していないからです。
アドバイスとしては、脱力を深めていく以外に姿勢の整えることも大切です。対練や組手で相手に囚われて身体を前のめりにしたり、背中を丸めたり、そっくり返ったり、と姿勢をゆがめてしまえば、まっすぐの感覚を身体で感じるのが遅くなってしまいます。
基本、型、対練、組手のすべての稽古において、まっすぐの姿勢を保とうとする意識を持つことです。最初はその意識が邪魔をして力むこともあるでしょうが、長い目で見るとその取り組みはけっして無駄にはなりません。
私はまだまだ未熟ではありますが、まっすぐに、重力に導かれて、動いているのを感じています。それが私の最大の強みなのです。
まっすぐの姿勢は、重力と調和した姿勢です。このことを会員さんは忘れずに稽古に向き合って下さいね。