2025年06月29日

両手を前に

いつも身体の質に関するお話しなので、今回は少し空体道の戦闘技術についてのお話です。

空体道の戦いにおいての特徴は、まず相手に対して両手を前に出して構えることがあげられます。

両手はけっこう前に伸ばすので、例えばボクシングのような構えとは明らかに異なる形と言えます。

で、なんで両手を前に構えるかについてですが、相手が打撃で来るにしろ、組技で来るにしろ、この前に出した両手がとても邪魔になるからです。

相手が打つ前に、相手が組み合う前に、こちらの前に出した手に接触する可能性が非常に高く、その前に出した手が壁となり、上手く打撃が当てられず、上手く投げの体勢に入れなくなるのです。

そしてこちらは両手を前に出したまま打撃技や投げ技等の攻撃に入ります。

まず打撃技ですが、脱力により身体に重力(重さ)が通るようになれば、わずかな動きで全身の重さを相手に伝えられるので、手を前に出した状態からでも強力な威力の打撃技を繰り出せます。

また投げ技でも全身の重さにより、相手と身体が密着状態でなければ投げ技が使えない訳ではなく、こちらの手(腕)と相手の手(腕)が接触していれば、その接触点だけで相手を崩したり、投げたり出来るようになります。

相手が前に出した両手が邪魔でこちらに入り込めないうちに、こちらは打撃や崩し、投げを繰り出す。これが空体道の理想の戦い方です。


相手からは遠い距離、こちらからは近い距離。相手に打たれず、投げられない距離、こちらからは打てる、投げられる距離。

そして理想の戦い方と書いたのは、理想であって現実はそう簡単にはいきません。現実の戦いはそんなに甘いものではないからです。

それでも私はその理想にこだわりたいのです。

また構えについては書きましたが、そのままぼ〜っと立っている訳ではありません。絶対的な重さ、重力と協和した身体ならそれでよいのですが、そうなる前は当然ですが歩法を駆使して、相手の側面、背面に回り込む位置取りも狙います。

以上簡単ではありますが、空体道の戦いに関する説明でした。
posted by ロン at 11:26| 日記