2023年05月08日

感覚と実際

練精会の求める身体の質を説明する時はつねに感覚的に話すようにしています。

重さを頭から足裏まで落とす・・・全身に重力を通す・・・等々

この点、会員さんは分かりづらいかも知れませんね。もっと実際的に話してほしいと思っているかもしれません。

重さを頭から足裏まで落とすと言ったって、体重計に乗ったら全身の重さが測定されるので、誰もがちゃんと重さは足裏まで落ちているのでは?・・・

全身に重力を通すと言ったって、この地球上に存在するすべては皆等しく重力の影響を受けているから、誰もが身体に重力は通っているのでは?・・・

確かに実際の考えでは上記のような疑問を持っことはある意味当然かも知れませんが、でも感覚的には全然違うのです。

感覚的には会員の皆さんの重さは足裏まで落ちてはいませんし、身体に重力も通ってもいません。更に言えば会員さんは立つことすらもまだ出来てはいないのです。

練精会の武術を深めようとしたら、実際的な教えよりも、あくまで感覚的な教えの方が上手くいくように私は考えています。それは人の身体は解剖学、運動学、生理学では数値化出来ない無限の可能性を有しているからと私は思っているからです。

ただし実際的に教えを大切にしている流儀を批判している訳ではありません。あくまで私個人の妄想的(笑)な思いとしての発言ですので、その点は会員さんは理解して下さい。あくまで練精会としてのお話です。

以上です。これからも私の感覚的な教えを会員さんは同じく感覚的に受け止め、練精会武術を深めていって下さいね。


posted by ロン at 23:27| 日記

2023年05月07日

三人の達人

私の中で内家拳を学ばせていただいた老師は別格として、あと二人ほど尊敬すべき達人がいらっしゃいます。

お二人にお会いしたことはなく(一人は故人)、映像だけの存在ですが、もうお二人の立ち姿だけで感動してしまいます。それくらい立ち姿が素晴らしいのです(当然ですがその動きも異次元です)

どちらの達人先生も市販の映像ではなく、知人からいただいたプライベートな貴重な映像です。その意味では私は武運があるのかも知れません。

映像はもう何百回見たか分からないくらいですが、いつ見ても自分の未熟さを思い知らされます。なので内家拳の老師、そしてお二人の達人先生の存在が、自分の思い上がりをいつも戒めてくれています。

今は内家拳の老師から独立した身、また達人先生からは教えを受けていない身。でもそんな三人の素晴らしき先人の存在があるからこそ、いくつになっても今いる場所から先に、先に、更なる先に進む意欲を掻き立ててくれるのです。

これにらも精進、精進あるのみです。


posted by ロン at 15:00| 日記

2023年05月04日

追い求めない

今回は練精会の立禅の説明になります。

ただあくまで練精会の立禅の説明になりますので、立禅全般の説明ではありません。各派それぞれにすぐれた素晴らしい立禅の方法がありますので、会員さんはその点を理解して読んで下さい。

今回は立禅の形ではなく、意識についてのお話です。

立禅時は身体の内面の感覚へ自然に意識が向いていきます。その内面感覚は様々なものです。例えば何かが流れている感覚とか、丹田が膨張するような感覚とか、全身が振動している感覚とか・・・

で、練精会ではそれら訪れる感覚をより高めていこうとか、より強化しようとか思わないようにしています。訪れる感覚は、ただ感覚として感じるだけでその感覚をどうこうしないのです。ただ感じてスルーしていくのです。それは感覚を追い求めていくうちに、その感覚に囚われていき、身体と心の自然さが失われれていくように思えるからなのです。

なので練精会の立禅はただ力を抜くことのみを何となく意識して、ただそのまま立っているだけなのです。そしていつの日か自身の身体と重力とが調和する日をひたすら待つのです。

まあ要はただ立つことなのです。会員さんには身も蓋も無い説明となったかも知れませんが、それが練精会の立禅なのです。






posted by ロン at 14:28| 日記

2023年04月30日

突きについて

副代表のゆりかが突きについて書いていたので、私も便乗して書いてみようと思います。

練精会武術の突きは、その突き方や姿勢はもちろん大切ですが、それ以上に重視しているのは身体の質なのです。これはあくまで極論として会員さんは聞くてほしいのですが、身体の質が高まれば、突き方や姿勢はあまり関係なくなってきます。要はどんな突き方、どんな姿勢であっても強大な威力の突きを放てると言うことなのです。

私がたまに腰の曲がったお爺さんのような姿勢や、片足を大きくあげたまま突きを打っても強力な打撃を放てるのはそのためです。私の突きを体験した会員さんならよく分かっていますね。

と、このように書くと練精会の突きは本当に便利だと会員さんは思うかもしれませんが、残念ながらそんなことはありません。以上のような威力のある突きの身体の質を身につけるのには長い年月が必要だからです。

いつも書いていることですが、身体の力が抜け、頭から足裏まで重さが落ち、全身に重力(重さ)が通った身体の質になるには、長い年月が必要になります。何年も、何年も、そして何年も嫌になるほど地味な稽古(立禅法や歩行法等)をただひたすら続けなければいけません。

ゆりかも十数年ひたすら上記のように身体の質を高めるの稽古を続けてきたからこそ、女性であってもごつい男性が驚くような威力のある突きを放てるようになってきたのです。

なので会員さんもよい意味で、気長に、のんびり、まったり、淡々と稽古を続けていきましょう。
posted by ロン at 14:34| 日記

2023年04月28日

感動

私は対練で技を示すときには、会員さん全員に技をかけて体験してもらうことにしています。

組手は組手慣れしている会員さん以外は危険なので基本黒帯会員さんにしか胸は貸しませんが、対練の技はかならず全員にかけています。

これは私の勉強(技を受ける会員さんの抵抗が一人一人違うので、それが良い勉強になっています)のためでもありますが、それ以上に会員さんのためでもあります。

まだまだ未熟ですが、しっかり抵抗しても崩される、投げられてしまう技を受けた体験から「自分もこんな技を身につけたい」「先生の技を受けると年齢は超越出来ると信じられる」等々の感動を受けてくれたらと思っています。

そんな感動があれば、いつかかならずその技を会員さんが身につけることが出来ると私は信じています。一番大切なのは、技を受けて私の動きや質を分析することではなく、技を受けて感動することが出来るか否かなのです。

そう思うのは、私が老師からたくさんの技を受けた時はいつも「いつか自分もこんな素晴らしい技、素晴らしい動き、素晴らしい実戦力を身につけたい」と心から感動していたからです。その感動が私の武術修行の原動力となりました。

ちなみに実は私はたまにですが、自分自身に感動することがあります。それは今まで無理と思われた技が会員さんが全力で抵抗してもかかるようになった時です。そんな時は本当に嬉しいものです。

願わくば私が老師から受けた巨大な感動と同じくらいの感動を会員さんに与えられたらと願っています。そのためにも精進。精進ですね。

posted by ロン at 16:03| 日記