2023年04月27日

自分が薄まる

本日の空体道教室で話したことですが、身体の力が抜けるにしたがって、自分と言う存在が薄まっていくような感覚を覚えるようになります。

自分と言う意識が薄れて、それに従い自分の身体も透明になっいく感覚。これはとても面白く、気持ちよい感覚です。何というか自分と周りの空間と一体化した感覚と言えばよいのでしょうか。

そのような感覚の時の技は、本人は本当にふわっとやっているつもりですが、その私の技を受けた会員さんは分かると思いますが、きわめて重く威力のある技になるのです。本人の感覚と技の威力が反比例。その乖離度合いがすごいのです。

いつも言っていることですが、そんな薄まる感覚は、頭で考えて得られるものではありません。思考がそんな感覚を拒否していまうからです。

なので稽古の時は思考を少し抑えて後は身体に任せてただ動くことを学ばなければいけないのです。

皆さんはよく「分からない」と口にしますが、私だって自分の動きや感覚をわかってやっている訳ではありません。頭で理解できるほど身体の能力は小さくはないのです。

なので分からいないことは当たり前。分からないことを悩むのではなく、分からないことを楽しむことによって、上記の薄まる感覚も次第に分かってくると思います。
posted by ロン at 23:02| 日記

2023年04月18日

やっているうちに

練精会の武術、空体道、円転太極拳では丹田感覚も大切な要素です。

練精会では丹田感覚を、主に丹田法、立禅法、空法、によってつくり上げていきます。

これらの稽古法によって丹田感覚が強まれば、丹田を中心に全身に広がる膨張感覚が得られ、全身の統一性が高まっていきます。私の丹田を触ったことのある会員さんはその状態がよく分かるはずです。

ここで大切なのは、(私が)丹田をつくろうとか思わないことです。

何々をしようと言う思いが強いと、無意識にお腹に力を入れたり、無理やりお腹を膨らませようとしてしまいます。それは作為なのです。作為は緊張を生み、力みの原因となります。

だから何も思わず、ただ上記の稽古を淡々と繰り返すことです。丹田法、立禅法、空法には丹田をつくりあげるエッセンスが含まれていますので、動き以外何も必要はありません。

やっているうちにいつの間にか出来上がっている。これは何も丹田だけではなく、練精会の稽古体系すべてに
共通する教えです。やることをやっていれば結果は後からついているものです。

練精会の武術は頭(知識)で理解するものではなく、身体(稽古)で理解するものだと会員さんは思って下さいね。
posted by ロン at 20:50| 日記

2023年04月16日

ギリギリ

本日の円転太極拳教室で説明したことなのですが、腕の感覚は常にギリギリであってほしいのです。

腕がギリギリ?と会員さんは思われるでしょうから少し解説しますね。

例えば起勢の時で言えば、後少しでも力を抜けば腕が上がらないギリギリのところで、腕をゆっくり上げている感覚。またあと少し力を抜けば腕が一気に落ちてしまうギリギリのところで、腕をゆっくり下げている感覚なのです。

そこまでまでギリギリの腕になっていなければ、抵抗する相手を簡単に崩したり、体格に勝る相手が吹っ飛ぶほどの打撃を与えることは難しいのです。

腕のギリギリ感覚を掴むためには、練精会ではじっと立つか(立禅)ゆっくり動くか(円転太極拳や空体道の型)かが大切になります。

前回の内容は腕の自由落下の感覚。今回は腕のギリギリ感覚のお話し。もちろん脱力に関しては腕だけでは不十分で、あくまで全身の脱力が求められるのですが、ある時期は腕に特化して脱力に励むもの会員さんには良い勉強になると思います。
posted by ロン at 22:23| 日記

2023年04月15日

自然落下

私が会員さんの腕に自分の手を載せて崩す時の感覚の説明です。

会員さんがこの対練が難しいのは、相手の腕に自分の手を押し付けて崩そうとしてしまうからです。相手はしっかり崩されまいと身構えていますので、よほどの体格差が無い限り、筋力を使って手を押し付けたぐらいでは崩されるとはありません。

私の場合は筋力で押し付けている訳ではありません。ただ力を抜いて手(腕)を自由落下させているのです。相手の対抗する腕にそっと自由落下した手を載せるだけなのですが、相手はその重さで「うっ」と唸ってしまうほどの衝撃力があるのです。

後は崩す方向を決め、手(腕)の自由落下に必要最低限の筋力で角度をコントロールしてあげれば、相手は面白いように崩れてしまいます。

この自由落下の感覚を高めるためには基本の腕振り(中国武術のスワイショウのようなもの)が有効です。自分の手(腕)の重さをしっかり感じながら腕を振り続ける稽古によって、初歩的な自由落下の感覚を掴むことが出来るのからです。

腕振りはごく簡単で単純な練習法ですが、熟練すればその効果は絶大です。

自分(筋力)だけではなく、自然(重力)の力を借りて相手を制するのが練精会武術の基本です。会員さんはこのことを忘れないで下さいね。

posted by ロン at 16:37| 日記

2023年04月11日

超え続ける

現在、3人いる黒帯会員さん(男2人、女1人)はもともと空手、そして柔道の経験者です。もちろん短期間ではなく、長きに渡ってしっかり修行された人たちです。

そんな彼らは私の門をくぐって短い人で約10年。長い人で約20年。そんな彼らに対し私は対練でも組手でも負けることはありません。

先生と生徒の関係を無視してガチでやっても負けることはないでしょう。それは彼らが一番わかっているはずです。

これは私が自慢したいから言っているわけではありません。私が何年たっても彼らを凌駕し続けることによって、武術の奥深さを示し続けることが大切なのです。

「な〜んだ。先生も自分たちが成長したらこんなものなのか」とか「やっばり歳には勝てないのか」とか黒帯会員さんが思ったら、そこで彼らの成長が止まってしまうかもしれません。

だから凌駕し続けるのです。超え続けるのです。それは彼らのためであり、何より私自身のためでもあるのです。

武術のだいご味の一つは、(成長の)先が見えないことにあると私は思っています。63歳ですがまだまだ先は見えません。それが私の伸びしろです。

願わくばよれよれ、よぼよぼの爺さんになっても「まだまだじゃのう、ふおっふおっ」と言える自分でありたいと思っています。

posted by ロン at 20:02| 日記